運動会の撮影


最初に就職をしてお世話になったのがスポーツ写真のエージェンシーだったこともあり、運動会を撮影する時は気合が入ります。
子どもたちのスポーツイベントでは、一生懸命な姿に心動かされます。特にダンスやマスゲームのような集団パフォーマンスを見ると、思わず涙さえ出そうです。
そんなこともあり、運動会ではなんとかいい写真を残してあげたいという気持ちになるもの。
プログラムや会場図をにらみながらシュミレーションをします。

自分の子どもが初めて本格的な運動会に出たのは保育園のときでした。
産後初めての"スポーツ撮影"だったので、しばらくお蔵入りになっていた300ミリの望遠レンズを引っ張り出して磨き、応援席の位置を確認します。
そして当日は、開門に間に合わせるために家族よりも一足早く家を出て、ひとりで出かけたのです。我ながら恥ずかしいくらいのはりきりぶり・・・。
子どもを置いてカメラだけ持ってきている大人などおらず、300ミリまで持っていてはどう見ても父兄というよりは業者です。

遅れてやってきた家族と合流し、準備をしながら標準レンズをのぞいた時、300ミリの出番はまったくないことに今さらながらに気づいたのです。
ここは保育園の園庭。
子どもは3さいです。
園庭も子どもも小さく、200ミリのレンズがあれば十分に顔のアップを撮ることができます。
私の装備は、園庭の園児というよりは国立競技場のアスリート対応で、自分の大げさぶりがさらに恥ずかしくなりました。

さらに、アスリートの取材のように望遠で”選手狙い”で抜き出しても雰囲気が出ません。
地面に這いずるくらいのローアングルでズームレンズを使いながら、園児の短い競技時間の中で絵にするのはかなりの集中力を要します。
それでも、園児の運動会は子どもの人数も多すぎず、一人一人の出番がきちんと用意されているので、大変見やすく平和なものでした。

運動会3才s.JPG
(保育園の運動会。観覧席が近いのでズームレンズがあればいろいろな撮り方を楽しめる。)

そんな保育園時代が懐かしくなるくらい、小学校の運動会は陸上選手権並みの段取りを要します。
スポーツ写真は撮影ポジションで撮れる写真が決まってしまうので、子どもへの取材が不可欠です。
前日までにゴールはどこか、競争の順番は何番目か、演技や競技で並ぶ列はどの辺りかを必ず確認しておきます。
観覧席の保護者の数も保育園とは比べものにならないくらいの混雑なので、当日は出番のプログラム二つ前から動いてポジションをとっておくのです。

それまで出番がないままになっていた300ミリの望遠レンズも、ようやく陽の目を見ることになります。
小学校に上がって最初の運動会で保護者が受ける衝撃は、自分の子がどこにいるか分からないことではないでしょうか。
みんな同じ白の体操着を着ており、目が慣れるまでにしばらくかかるほどです。

20120602_122.JPG
(小学校の運動会。300ミリの出番。)

競技で使うスペースも拡がり、遠巻きに子どもを見守ることになります。
300ミリレンズが必要なくらいの距離まで離れてしまったのだなあと、なんだか寂しい気持ちになったります。子どもが大きくなったことを実感するのは、こんな時かもしれません。

運動会かけっこアップ.JPG
(これも300ミリで撮影。)

| Sayuri Inoue | 【撮影プラン】キッズスポーツ | 23:57 | comments(0) | - | - |