カメラマン人口〜2015年日本統計年鑑より (1)

カメラマンの人口動態について、総務省統計局の日本統計年鑑をもとに、ここ数年ひとり統計ウォッチングをして考察をしてきたわけですが、ふと気がつくと2015年版の統計年鑑が公開されているではありませんか。
今回発表された最新データは、2010年のものです。

この2010年には、大きな意味があると思っています。
というのも、2010年とは、写真業界におけるデジタル化への転換期が過ぎ、業界内のビジネス再編が進んだ時期であり、カメラマン個人も大きく対応を迫られたからです。
2年前の投稿にもあるように、21世紀になってから写真業界はデジタル化の波が押し寄せ、前データが扱った2005年とは、大手ストックフォトエージェンシーのM&Aが進んだときでした。
2006年になると、誰でもストックフォトとして写真販売ができるPIXTAがビジネスを開始。
これによって、いわゆるプロではないカメラマンもストックフォトビジネスに参入できるシステムができ、それまで写真業界にあった既存のビジネスモデルは大転換を迫られたのでした。
当然ながら、プロカメラマン側もデジタル化への対応を求められます。
2005年のデータでは、カメラマン総人口は減少しているものの、女子の人数だけを見れば増加しているという現象が見られたのでした。
その後、相対的に写真の使用料は安くなり、紙媒体が減り、新規参入者も増えたこの業界。
どんな変化があったのでしょうか。

なお、これまで国勢調査の職業は「写真家」として記載されていましたが、2010年データの表記は「写真家,映像撮影者」となっています。
この変化が、数字にどのような影響を与えているかはわかりませんが、ここではそのまま比較することにします。

写真家,映像撮影者数の推移  (1995-2010年)ssize.JPG

2010年における「写真家,映像撮影者」の総数は、65,540人。
2005年の64,446人と比べると、1000人以上増加しています。
デジタル化によって、カメラマンの淘汰が進んで減ってしまったのでは・・・という推測もありえたわけですが、どっこい増えている。
とくに、男女別で見ると、男性が右肩下がりで減少し続けている一方、女性は右肩上がりで増加しています。
女性の新規参入が多く、カメラマン総人口を押し上げているということでしょうか。
新規参入が増えたということは、デジタル化が従来あったそのハードルを下げたともいえるでしょう。

次回は、その男女別の変異を詳しく見ていこうと思います。 →続きの「男女比に見るカメラマン人口の考察 〜2015年日本統計年鑑より (2)」はこちらから。
| Sayuri Inoue | 【コラム】 「カメラマン人口について」 | 23:30 | comments(0) | - | - |