フォトラルーチェのはじまり

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「写真撮ってます」と言うと、必ずといっていいほど「何系の写真ですか?」と聞かれます。

私が一番好きなのは、「子ども」を撮ることです。

 

旅先やプライベートでカメラを持っている時でも、自然とレンズが向くのがそこにいる子どもたちです。
レンズの向こうでおどけてみたり、モデルさんみたいにポーズをしたりと、ほんのわずかな時間だけれど、写真がくれる出会いは楽しいものです。

 

そんな自分が初めての子どもを妊娠した時、これはいつでも撮り放題と、写真撮影の意欲がかき立てられました。
出産の時もカメラを持ち込み、さあ撮るぞとはりきって臨んだのです。

・・・が、現実は思ったようにいきませんでした。

9時間の出産の後は、腕に力が入らずにカメラを持つことすらできず、退院後もまったくその余裕がありません。やっと心のままに一眼レフのカメラで写真が撮れるようになったのは、首がすわるようになってきた頃でした。


それ以来、ものすごい勢いで増える写真・・・。子どもと家族のかけがえのない記録です。

ある時、写真を見ていて気づいたのです。

 

私が写ってる写真が少ないな・・・と。

 

我が家では、もっぱら私が写真を撮っています。

私がカメラを持ち歩いているので、頼まないかぎり、夫が写真を撮ることはありません。


これまではそんなこと気にしたこともなかったのに、時間がたつほどに、赤ちゃんのお世話に精一杯だったお母さんの「私」の写真が大切なものに思えてきたのです。

そしてある日、同じように育児をがんばるお母さんたちの姿を見て、ああ、このすてきな瞬間を撮ってさしあげたいなあと思うようになりました。

夢中になっている時の自分の写真は、誰かに撮ってもらわないと残りません。


私は、そのシャッターを押す人になりたい。


そんな思いがフォトラルーチェの出発点なのです。

| Sayuri Inoue | 【コラム】 写真をめぐる物語 | 23:30 | - | - | - |